ピエール・エルメ
アルザス・コルマールのパン屋の4代目として生まれたピエール・エルメは、14歳のとき「ガストン・ルノートル(en:Gaston Lenotre)」の元で修行を始めた。24歳で「フォション(Fauchon)」のシェフ・パティシエとなり自らの芸術の頂点を目指した。
1996年末に「フォション」を去り、「ラデュレ」の副社長を経て、共同経営者シャルル・ズナティとともに「ピエール・エルメ・パリ」を創業した。「ピエール・エルメ・パリ」では菓子類のデコレーションは控えめにして、絶えず技術面の再検討を図っている。ピエール・エルメのオリジナル作品は大人のためのスイーツであり、必ずしも過去の手法にとらわれず、子供時代のノスタルジー的な菓子作りからも脱却して、堂々とガストロミー界にデビューを果たした。「味覚の喜びだけが唯一の指針」をモットーとするエルメは、その完全に独創的な「味覚・感性・歓喜の世界」を作り出すことに成功したのである。
今やフランス、日本、及びアメリカでも著名なピエール・エルメは、パティスリー界に新たなセンスと近代性をもたらし、「パティスリー界のピカソ」「パティスリー界の挑発者」「前衛的パティシエにしてフレーバーの魔術師」「キッチン・エンペラー」「現代パティスリーの王」という賛辞に加えて種々の栄誉や勲章を得た。ただ、エルメ本人はメディアからの賛辞よりスイーツファンから素晴らしいと認めてもらえたことが何よりも価値があることだと言う。
また、これまでに数多くの書籍も刊行しており、その中にはアメリカとイギリスで2005年10月に発行された「The Cook’s Book」は、第11回「グルマン世界料理本賞(Gourmand World Cookbook Award 2005)」の「ベスト・クックブック・デザイン賞(Best Cookbook Design)」に輝いた。
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