Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

シャヴァンヌ

ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌは19世紀のフランスの画家で、世代的にはクールベやマネなどとほぼ同時代だが、シャヴァンヌの作風写実主義印象派、アカデミスムのいずれとも一線を画している。

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あえて分類すれば象徴主義ということになるようだが、19世紀のフランスにおいて位置付けのむずかしい画家であることは間違いない。物語風の伝統を受け継ぎつつ、自然の風景と人物像が調和した独自の作風を作り上げ、後の世代に大きな影響を与えた。ちなみに、象徴主義は19世紀後半にフランスにおいて文学運動から始まり、美術運動としては、写実主義印象派の絵画に対して、精神活動の表現を追及しようとする絵画を主張する運動をいう。神秘的で幻想的な形態、線や色彩を駆使して暗示的、象徴的に、宗教や神話あるいは感情や心象を表現している。

フランスに留学した日本人画家が多数そのアトリエを訪れたことも知られ、倉敷の大原美術館に作品が収蔵されていることもあり、日本では比較的早くから雑誌「白樺」などで紹介され、当時留学中の黒田清輝らも訪問していたという。

なお、大原美術館に収蔵されている「幻想」は、シャヴァンヌの1886年の作品。女流彫刻家クロード・ヴィニョンの邸宅のために描かれた4点の装飾画の1つ。翼をひろげたペガサスは想像力の象徴。女性がその首に植物の蔓をかけようとしている。白い彫像のような人物像を効果的に配置した構成によって、永遠の静けさが醸し出されている。

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