Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

デヴィッド・ボウイ

デヴィッド・ボウイは、イギリスを代表するマルチ・ミュージシャンであり、俳優としても長いキャリアを持つっているアーチスト。イギリスでは、ビートルズローリング・ストーンズ、クイーンらと並び、20世紀のイギリスを代表するロック・スターの1人であることは間違いない。

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全世界トータルでアルバムセールスは約1億3000万枚。「20世紀で最も影響力のあるアーティスト」や「100人の偉大な英国人」にも選出され、移り変わり行くロック・シーンの中で、常に「変化」し、「進化」しながら、孤高の存在として時代の先端を突き進むスーパースターである。

ほとんどの場合、名声を得たミュージシャンは、その時点までに確立した己のスタイルを貫こうとし、ファンもまたそれを望んでいるものだが、デヴィッド・ボウイの場合はスタイルを変化させることによってファンを失う危険をものともせず、様々なジャンルにわたる大胆な音楽性の変化を繰り返し、それぞれのジャンルにおいてエポックメイキングな作品をリリースしている。そのためか、70年代・80年代以降のミュージック・シーンは、何かしらデヴィッド・ボウイの音楽的影響を受けているミュージシャンも多い。海外では、ジャパンやデヴィッド・バーンカルチャー・クラブ、ヴィサージ、スパンダー・バレエ、デュラン・デュラン、トレント・レズナービリー・コーガンなど、多方面にわたる。

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また、「メジャーなカルトヒーロー」と言われ、時代時代の音楽に対する明敏さを生かし、それまでとは打って変わった音楽性という実験を繰り返しながら、様々な意味での自己刷新を計ることが多いため、安定した商業面での成功をおさめるには不利といえる。しかし、セールス的には成功している部類に入り、アーティステックな面と商業面をうまく両立させている、数少ないミュージシャンのうちの1人である。

デヴィッド・ボウイは、映画界にも早い時期に役者として登場している。1960年代から70年代にかけて3本の映画出演があるが、メジャーデビューは1976年の「地球に落ちてきた男(The Man Who Fell to Earth)」。以後、役者としての経歴は散発的なものであったが、1983年には大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」に英軍将校ジャック・セリアズ役で出演し、話題になったことは周知の事実。その後は、約20本の作品に出演。ジム・ヘンソン監督の「ラビリンス/魔王の迷宮」でゴブリンの王ジャレスを演じ、「ハンガー」ではカトリーヌ・ドヌーヴスーザン・サランドンと共演、「バスキア」ではアンディ・ウォーホル役を演じた。また、「ツイン・ピークス-ローラ・パーマー最期の7日間」ではミステリアスなFBI捜査官フィリップ・ジェフリーズ役で出演している。

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2000年代に入っても創作意欲は衰えず、2002年に「ヒーザン」、2003年に「リアリティ」と立て続けにアルバムを発表し、大規模なワールドツアーを開始する。その中で、8年ぶりの来日公演も果たした。ちなみに、日本初公演は1973年。しかし、このツアー中にハンブルク動脈瘤による心臓の痛みを訴え緊急入院し、残りの14公演を急遽中止した。

このアクシデント以来、デヴィッド・ボウイは創作活動には消極的となり、新作も2004年の「ネヴァー・ゲット・オールド」(「リアリティ」からのシングル・カット)以降はリリースされていない。公の場に姿を現したのも、2006年にデヴィッド・ギルモアアリシア・キーズのライブにゲスト出演した程度で、表立った活動はほとんど行われていない。

親交の深い関係者は、2010年初頭でのインタビューから「ここ数年のボウイはすっかり創作活動への意欲を削がれてしまったようで、この調子だと新作は当分ないだろう」と語っている。

2011年には、デヴィッド・ボウイの伝記を手掛けた作家ポール・トリンカによると「よほど劇的な作品を届けることがない限り、もう一線には戻らないだろう」と、デヴィッド・ボウイは実質的にほぼ引退したという見解を述べている。

ところが、2013年1月8日、デヴィッド・ボウイの66歳となる誕生日に突如、新曲「ホエア・アー・ウィー・ナウ?」と、10年ぶりとなる新作アルバム「ザ・ネクスト・デイ」を3月に発売すると発表。先行シングルの「ホエア・アー・ウィー・ナウ?」は全世界119カ国のiTunes Storeにて一斉配信開始され、リリースから24時間で27カ国のiTunesチャート1位になった。

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そして、デヴィッド・ボウイの10年ぶりのニュー・アルバム発売を記念して、東京・銀座のソニービルに3月9日から期間限定で「デヴィット・ボウイ カフェ(DAVID BOWIE CAFE)」がオープンすることになった。店内ではニューアルバム「ザ ネクスト デイ」の収録曲をはじめ、これまでの楽曲がBGMとして流れる他、デヴィッド・ボウイの故郷であるロンドンの味を再現した限定メニューが提供される。

限定メニューの「シェパーズパイ&ギネス」は、マッシュポテトとチリビーンズにチーズをたっぷり乗せて焼き上げた伝統料理のシェパーズパイと、パブの定番黒ビール、ギネスのセット。「チャイナガール(China Girl)」「フェルツーアース(The Man Who Fell to Earth)」「キャットピープル(Cat People)」など、デヴィット・ボウイの名曲や出演映画にちなんだカクテルも用意され、その他、今回のCDジャケット写真やポートレート、関連書籍など店内はデヴィッド・ボウイ一色に染まる。また、ニューアルバムを2階ソニーショールームで試聴できることになっている。なお、「ザ ネクスト デイ」は、3月13日に発売される。

デヴィッド・ボウイの世界観を存分に堪能してほしい。

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