Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

ザ・ノース・フェイス

1968年、アメリカ・カリフォルニア州バークレーでアウトドアブランドとして産声を上げた「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は、当初小さなメーカーであった。

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第1号の製品として発売した「スリーピングバッグ」は、デビュー当時から話題を呼び、高い信頼を獲得するようになった。高品質なだけでなく、最低何度の気温まで快適に使用できるかという業界で初めて「最低温度規格表示」を明記したことが反響を呼んだ。

折しも、ベトナム戦争が泥沼化していた時代で、物質文明中心の社会や既存価値に対するカウンターカルチャーが隆盛を極めつつあった。鋭敏な感覚を持った若者たちは街を出て、自然へと回帰して行く。そんな彼らのエネルギーと、常識にとらわれない「THE NORTH FACE」のスタイルが共鳴し、やがてバックパッキングブームが巻き起こる。続いてダウンパーカーの原型ともいえる「シェラパーカー」を発売。これはいまだにほとんどそのディテールを変えず生産されており、世界中で膨大なコピー商品も生み出している。

そして、1975年にアウトドア用具の常識をもっとも大きく変える製品を発表。世界初のドーム型テント「オーバルインテンション」である。最小の面積で最大の容積と強度を得られるこのドーム型テントは、建築家にしてデザイナー、さらに、哲学者の顔も持つリチャード・バックミンスターフラー博士が提唱する「ジオデシック(大円上の2点間の最短距離からなる総三角形化)」と「テンセグリティ理論(真の構造は連続した張力が不連続な圧縮力を統合する相互作用〈シナジー〉からなる)」を具現化したものであった。

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