Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

靴の魔力

高いヒールと赤い靴底が特徴のクリスチャン・ルブタンのハイヒール。レディー・ガガ、クリスティーナ・アギレラブリトニー・スピアーズ、マドンナなど多くのセレブや芸能人、また、モデルやスタイリストなどのファッション関係者の間でも愛用者が多いことで知られる1992年に設立された女性向け靴のブランドだ。

ちなみに、ルブタンの靴の裏が赤いのは、ルブタンがファッションショーで自分のデザインした靴が何か物足りないと感じていたところ、部下の1人がシャネルの赤いマニキュアをしていたのを見て、靴底を赤く塗れば完璧だというアイディアが浮かんだためと言われている。

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そして、2012年からはメンズブティックが次々と開業した。そのメンズブティックで今年の2月から新しいオーダーメイドサービスが開始されている。サービスの内容は、顧客が実際に入れているタトゥーのモチーフ、もしくは、ルブタン自身がデザインしたモチーフを刺繍で靴の上に再現するというものだ。完全アポイント制で、パリ、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスの4店舗のみにて実施。店内に手作りのレザー製の壁とマスキュリンなデコレーションをほどこした特別なスペース「タトゥーパーラー(Tattoo Parlor)」として新たに専用のスペースが設けられている。

タトゥーをコンセプトとしたのは、クリスチャン・ルブタンがタトゥーアートに感銘を受けたことによるものという。デザインにおいて、繊細な刺繍の美しさとクラフトマンシップへの高い尊敬の念は不可欠なものというルブタン。タトゥーはその人の人生の一部であり、また、鎧や紋章のようなもの。ローファーに他人の紋章を施すよりも、自分のシューズに自分の紋章を入れることは、より、モダンになると考えたルブタンは、他のブランドがすでに行っている靴のクラシカルなオーダーメイドサービスに対する、ルブタンからのモダンなアプローチと言える。

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「タトゥー パーラー」の刺繍サービスは、完全アポイント制。シューズが完成するまでのすべてのプロセスにおいて、オーダーメイドサービスの担当者が顧客の要望に応えてくれる。対象となるアイテムは、スポーティなスニーカー「Louis(ルイ)」から、エレガントなローファー「Henri(アンリ)」まで、多彩なメンズシューズの中から、好きなモデルを選ぶことができる。

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更に、このサービスのために特別にデザインされた新しいモデル「Nigel(ナイジェル)」も登場。オーダーされたタトゥーモチーフは、パリのスタジオにて絵型に起こされた後、イタリアやインドの熟練の職人によってシューズ表面に刺繍される。素材とカラーはもちろん、刺繍も黒と銀のみ、色糸を用いたもの、色糸にビーズをのせたものと三種類の異なる刺繍技法の中から好きなものを選択可能。オーダーしたシューズは、熟練した職人により刺繍が施され、オーダー後約3カ月で顧客の手元へと届く。

また、ウィメンズラインでもオーダーが可能で、フラットシューズの「Rollergirl(ローラーガール)」やスニーカーの「Louis(ルイ)」、エレガントなアンクルブーツの「Belle(ベル)」、ハイヒールの「Highness(ハイネス)」の4モデルから選ぶことができる。価格はメンズ、ウィメンズともに1060ドルから4000ドル。素材や刺繍の種類、モチーフの寸法によって変動する。

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「靴はただ単に歩くためだけのものではない。女性も男性も、靴にフェティシズムを感じるんだ」というクリスチャン・ルブタンやマノロ・ブラニク、ピエール・アルディなど、世の女性たちが一度は履いてみたいと憧れるブランドを手がけるスター・デザイナーたちや、「靴」の魅力の虜になった多くのセレブが「靴」の魅力について語り尽くす珠玉のドキュメンタリー作品「私が靴を愛するワケ」が、5月11日より公開される。

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映画の公開を記念してフランスのパティスリー「セバスチャン・ブイエ」が、作品に登場する「靴」をイメージした特製ケーキ「フェティッシュ」を伊勢丹新宿店本館地階1階にて5月1日から5月31日まで期間限定で販売する。特製ケーキは、ヒールをかたどったチョコレートの中に、甘さ控えめで爽やかなライチの果肉入り。フランボワーズ・カシス・パニーユのマカロンを添えて上品に仕上げられている。価格は2,625円。

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1976年フランス・リヨン生まれのセバスチャン・ブイエは、2004年に世界の著名パティシエで構成される菓子職人の国際協会「ルレ・デセール」に最年少メンバーとして認定されるなど、世界中から注目を集めるパティシエの1人。現在は、パティスリー、マカロン・ショコラ専門店等をフランスに5店舗、東京に2店舗を出店。

いつの時代も女性のハートを掴んで離さない、官能的で魅惑の存在である「靴」と女性の関係に迫った世界初のドキュメンタリー作品を鑑賞した後で、セバスチャン・ブイエの特製ケーキを堪能するのもチョイとオシャレかも…。