Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

オシャレなデジタル時計

私の友人にオシャレでユニークなデジタル時計好きがいる。私は薄いアナログの時計が好きなので、デジタル時計を腕にすることは絶対にないと思っているのだが、鑑賞用の時計としてはけっこう興味がある。

以前、紹介したこともある「hD3 NEXTGEN SLYDE」のような超高級デジタル時計も魅力だが、比較的リーズナブルな製品の中にもデザイン的に面白いものは多数存在する。そこで、今日はちょっと気になるデジタル時計を幾つかピックアップしてみたい。

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デンマーク語で「居心地のよい」という意味の「HYGGE(ヒュッゲ)」というブランドの「HYGGE 3012」。2色の吹き出しのような円盤で時刻を表すユニークなデザインの竜頭がないシンプルなケースが特徴的。あらゆるものを削ぎ落したかのような、究極のミニマルデザインとも言うべきこの腕時計は、フィンランドで数多く国際的なデザイン賞を受賞しているインダストリアルデザインスタジオ「Pentagon Design(ペンタゴンデザイン)」に所属する若手デザイナーのマッツ・ロングレーンが初めてデザインした時計。

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トンガリのついた円盤型の針のデザインがユニーク。価格もホワイト系が15,750円、ブラック系が17,850円と、気軽に購入できるようなリーズナブルさが魅力。全5パターンのカラーバリエーションも派手過ぎず、落ち着き過ぎず、また、近未来的感覚もあるが、どこか懐かしい雰囲気も醸し出す。クールだが北欧らしい温かみのある不思議な時計だ。

ニューヨーク出身のデザイナー、マシュー・ウォルドマンによって設立された自身のブランドの「NOOKA(ヌーカ)」。直線や点を使って時間を表示する斬新な時刻表現のアイデアが高い評価を集めている。アナログ、デジタル時計の「標準」を飛び越えて時間を表現するグラフィックは、新しい概念の「時間」へと導く事にチャレンジする。

六角形のフェイスを持つ「ZEX」は、53mmの迫力あるサイズの工業的な意匠が男性的なデザイン。サークル状に配置された12個のドットでアナログ時計のように「時」を表し、水平方向のバーの目盛りが増えることで「分」をグラフィカルに示している。時間という抽象的な存在に確かな質量を与え、直感的に感じることのできるこの表現方法は、一度慣れてしまうと意外とはまってしまうのかも知れない。

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ユニークな文字盤とカラーリングで本国のデンマークでは「Little Furniture」の愛称で親しまれている「noon copenhagen(ヌーン コペンハーゲン)」は、Michael SlipsagereとJan Lovmandの2人の実業家と、デンマークを代表するプロダクトデザイナーのHenrik SorigThomsenとのコラボレーションによって2007年に誕生したブランド。時計がアクセサリーとして使用されるならば、時計はもっと斬新で、ファッションやトレンドにマッチしなければならない。そして、機能的であるとともに、楽しめるものでなくてはならないという哲学のもと、誕生したディスクウォッチブランドだ。

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「noon」最大の魅力は、「OHM(欧州共同体商標庁)」より15ものデザイン特許を与えられた革新的な時間表示システム「kaleidoscope(カレイドスコープ)」にある。3階層のカラーディスクからなるこの時間表示システムは、時計、分針を示す2枚のディスクがそれぞれ回転し、時が進むごとに万華鏡のように表情を変えながら時刻を示すというまったく新しい時刻表示概念を生み出した。

そして、「dark noon(ダークヌーン)」は、あえて透明感のある彩色をすべて排除し、黒い面と白い線のみで新たな感性を提案した限定コレクション。デザインしたのは佐藤オオキ率いるデザインオフィス「nendo」。彼は、1977年にカナダに生まれ、2000年に早稲田大学建築学科を首席卒業。2002年、同大学大学院修了後、デザインオフィス「nendo」を設立。現在は、東京・ミラノ・シンガポールの3都市に拠点を構え、建築からインテリア、プロダクト、グラフィックまで幅広くデザインを手掛けている。

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まるで時計の内部機構のような歯車を表現した「gear(ギア)」、時計の中に小さな時計が現れる「times(タイムズ)」、点線で表現された2本の針が1時間に1度同化し、1本の線となる「line(ライン)」、クロノグラフがモチーフでありながら、インデックスが分針に、3つのインダイヤルが時針になった「chrono(クロノ)」、12時・3時・6時・9時になると不完全だったインデックスの数字がきちんと表示される「numbers(ナンバーズ)」の5種類のコレクション。各300本限定で、裏蓋には「nendo」のロゴと限定シリアルナンバーが刻印されている。ちなみに、価格は各17850円とリーズナブル。

1999年、香港に設立されたデザインウォッチブランドの「o.d.m.(オーディーエム)」の「Sunstich(サンスティッチ)」。ブランド名は「original、dynamic、minimal(オリジナル、ダイナミック、必要最小限)」の頭文字に由来している。革新的な技術とデザインで、清潔で控えめながらも大胆な、実験的アートを目指し、開発を進めているブランドだ。

液晶ディスプレイの中心にソーラーパネルを搭載し、光エネルギーを動力に変えて時計を駆動させる「Sunstich(サンスティッチ)」は、バックアップバッテリーも装填されているので、夜間や曇りの日なども心配なく利用できる。

1997年には、テレンス・コンラン卿によって最優秀英国人デザイナーに選出されたこともある世界的プロダクトデザイナーマイケル・ヤングがデザインしたウォッチ。

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ディスプレイは、液晶アナログモードとデジタルモードの2種類の時刻表示と日付表示も選択可能。スリープモードで電池の消耗を抑えることもできる。表示の切り替えや時刻調節は、タッチスクリーンになっているディスプレイをタップして設定する。アナログモードで利用時の三針は、影で時刻を表す日時計を思わせるシンプルで抑制されたデザインが印象的。価格は16800円と19950円の2種類。

「o.d.m.」でもう1つ。テクノロジーとデザインの組み合わせで世界が少しだけ違って見える、個性的な扇形ディスプレイにユニークな機能を搭載した腕時計「Quadtime(クアッドタイム)」。

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「Quadtime」のフリースイッチは、時計を取り上げたときにディスプレイが起動する機能。垂直方向を感知して、フィットする向きに時刻を読み込み表示。傾きを感知して適切な向きに時刻を読み込み表示するので、隣や向かいに座った人に時間を尋ねられた場合にも、相手に時計を向けるだけで時刻を伝えることができる。急いでいる朝、あわてて上下逆さに腕時計をつけても大丈夫。扇形の弧の位置が変わるため、デザインの違いを楽しむことも可能。

いつも新鮮な印象で使うことができる驚きが組み込まれたデザインがユーモラス。エコグリーンモードを起動すると深夜から早朝の電源が自動でオフとなり、消費電力を抑えることができる。テクノロジーとデザインの融合で誕生した遊び心のある腕時計。ちなみに、2011年度日本グッドデザイン賞を受賞している。

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このようなデジタルウォッチを腕につけるのは少々気恥しいが、コレクションとして部屋で眺めるには面白そうな時計たちである。