風情ある音色
昔は家の軒下などに吊り下げられ、涼しげな音色で風情を醸し出していた夏の風物詩の1つである「風鈴」。近頃ではあまり見かけることがないので、「涼し」の情緒がなくなったようで少々寂しい感も否めない。
鈴や鐘、太鼓、笛といった音のでるものは、人類の歴史の古くから人間の暮らしや精神活動に深くかかわっており、音は人間を襲ってくる獣や魔物を追い払い、己の生命を守る楯であり、また、同時に己の仲間である獣や神を引き寄せる合図でもあった。
日本でも縄文時代には既に「土鈴」と呼ばれる音を出す用途を意図して作られた器物が存在し、農耕が開始してからも農作物を荒らす動物を追い払うため「鳴子」を田畑に設置してきたし、現在でも山菜採りなどで山に入るときには熊除けなどのために鈴を腰につけていくという。
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