サイ・トゥオンブリー
1928年、アメリカ・ヴァージニア州のレキシントンに生まれたサイ・トゥオンブリーは、ボストン美術館付属美術学校とニューヨークの美術学生連盟で学び、1950年代前半にロバート・ラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズなどとともに作家としての活動をスタートした。
当時のアメリカではジャクソン・ポロックに代表される抽象表現主義が席巻しており、一見、子供の落書きにも見えるトゥオンブリーの即興的な作風は、その影響によって育まれ、アメリカの抽象表現主義の第二世代と目されたが、次第に独自の道を歩んでいくようになる。
そして、1960年代のアメリカがポップアートやミニマルアートに移行する中で、トゥオンブリーは、手で描くという身体的表現にこだわり続けた。その後、拠点をローマへと移し、ギリシャやローマ神話や歴史から、また、ホメロスやヴェルギリウスの古典、シェリーやキーツ、マラルメ、ヴァレリーの詩などから作品のヒントを見出すことで、それらをモチーフに取り入れるようになり、作風の幅と活動の場を広げていった。
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