秋の味わい
銀座にある老舗の甘味処「立田野」は、1895年に相撲取りだった立田野が四股名をそのままにつくった店である。創業者の立田野は力持ちで大きな体、しかも甘いものが大好きだった。
当時は、「立田野」でつくった「あんみつ」を枡席で食べながら、相撲観戦する客の姿が多数いたという。ちなみに、当時の横綱は「西ノ海嘉治郎」、得意技は「寄り」。16代横綱である。
そして、関東大震災の翌年の1924年、震災で銀座が復興していなかったころ、銀座に本店を構えた。それが現在の銀座「立田野」だ。大正末期から昭和初期には、「モボ」「モガ」が銀座に登場。西洋の文化が一気に銀座に溢れ出し、「立田野」の「あんみつ」も多くのハイカラさんに好まれた。
あれから約120年たった今も、銀座はファッション・文化・芸術が行き交い、日本を代表する社交の場として賑わっている。そんな中、ホッとできる甘味処として「立田野」は「あんみつ」を作り続けている。歌舞伎役者、舞台女優、映画スター、小説家、画家など多くのの著名人に愛されたその味は、創業者が作った頃の美味しさをできる限り大切にしたいと、「あんみつ」は現在でもは手作りされている。
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