Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

曾根崎心中付り観音廻り

人形浄瑠璃文楽が現代美術作家によって「舞台芸術」となり、2013年9月から10月の1ヶ月間、欧州で公演されることになった。能舞台を作品化するなど、近年伝統芸能に意欲的に取り組んできた杉本博司が、近松門左衛門の代表作「曾根崎心中付り観音廻り」に独自の解釈を加え、構成・演出・美術・映像を手掛けた「人形浄瑠璃」である。

この作品は、2011年3月に予定されていた公演が、東日本大震災の影響で公演が延期し、8月4日から16日まで神奈川芸術劇場ホールで上演された作品である。現在では、人形浄瑠璃文楽座の公演演目「曾根崎心中」は、演出の都合上、原文の一部が割愛されたものになっているが、この作品では原文に忠実な舞台化を目指すために、上演台本には2008年に富山県黒部で発見された初版完全本を原典として使用、原文にある「観音廻り」を復活させ、1703年の初演作品以来の完全版として上演された。

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江戸元禄時代の「曾根崎心中」初演時は、人形の操作方法は現在の「三人遣い」と違い、「一人遣い」によるものだった。復活する「観音廻り」において、人形遣いの桐竹勘十郎が「一人遣い」に挑戦。新たに主人公である「お初」の「一人遣い」人形を制作し、これに臨んだ。なお、人形制作にあたっては、フランスを代表するメゾン「エルメス」のご協力により、スカーフを用いたコンテンポラリーな衣裳が実現した。

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