Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

ヤンマーのプロジェクト

僕の名前はヤン坊…このフレーズで始まるCMソング「ヤン坊・マー坊の歌」は、民放テレビ局で主に夕方のローカル時間帯に放送されている「ヤン坊マー坊天気予報」のテーマソング。1959年の気象記念日(明治17年制定)にあたる6月1日よりスタートし、2009年6月1日には放送開始から50周年を迎えた長寿番組だ。

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ヤン坊・マー坊のキャラクターデザインは誕生当初から現在まで一貫してアニメーターの中邨靖夫氏が担当しており、基本形は維持されつつも時代の変化による変遷が見られる。ごく初期には2人ともスマートに描かれていたが、1960年代後半以降、今日に至るまで2人とも2頭身にデフォルメされた姿で描かれており、それに合わせて2人の目がそれぞれ大きくなった。

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また、長年にわたりヤン坊は半ズボンを着用していたが、1999年以降より半ズボンの着用が一般的でなくなったとの理由で両者とも普通の長ズボンを着用するようになっている。なお、髪型の違いが両者を見分けるポイントだが、多くの場合、衣服などに大きく「Y」「M」と書かれていて判り易くなっている。そして、2009年6月以降よりヤン坊とマー坊がそれぞれ着用しているTシャツの色までも区別されるようになり、より一層判り易いものとなった。そして、時期によっては、ヤン坊とマー坊の他に別なキャラクターが加わる事があり、特に1980年代後半から1990年代前半までの一時期では、「少女」「太った子」「眼鏡の子」「ブルドッグ」がレギュラーに加わっていた。

ちなみに、「ヤン坊・マー坊の唄」は何度かマイナーチェンジされており、1999年の一時期には放送開始40周年記念として関西ジャニーズJr.(現:関ジャニ∞錦戸亮安田章大)のバージョンが、そして、2002年の一時期には「ZONE」のバージョンが流れたこともある。

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「天気予報番組を通じて、日本全国の方々のお役に立ちたい」という想いを届けてきた「ヤンマー」は、発動機や農機、建機、小型船舶の製造販売会社。1912年に創業者の山岡孫吉により、石油発動機のメーカーとして創業され、2012年に創業100周年を迎えた。

後に社名ともなった商標の「ヤンマー」は、商標候補として豊作のシンボルであるトンボを検討していたが、すでに商標権が静岡県の醤油メーカーに取得されていたため、代案としてトンボの大将オニヤンマにちなんで命名されたもの。創業者の姓の「山岡」に発音が近かったのも決め手となったようだ。

1933年には、石油発動機よりも経済的だが技術的ハードルの高かった小型高速ディーゼルエンジンの自社開発に成功。以降は、中・高速型のディーゼルエンジンと、これを利用した工業製品の生産で業績を伸ばしてきた。そのためか、同社が開発し製造したディーゼルエンジンは、全般的に信頼性および耐久性が非常に高い事で知られており、創業当初から「ものづくり精神」という概念を21世紀の今日まで頑なに守り続けている。コーポレート・スローガンは「Solutioneering together(ソリューショニアリング・トゥギャザー」)。

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そして、「ヤンマー」は、次の100年に向け、1兆円企業グループへの成長を目指し、かつてないチャレンジを展開すべく新たな成長戦略を示した。これまでの100年で培った技術力とノウハウに大胆な企画と提案を融合させ、「ソリューショニアリング」の更なる進化によって多くのユーザーに感動を与え続ける企業になること。そして、アジア、欧米における農機・建機市場や、世界のヤンマーのブランドネームの源泉でもある欧米マリン市場への浸透を深め、食とエネルギー領域で新たな事業展開を開始する。

この新たな成長への取り組みを加速させるべく、企業ブランドイメージを統一化し、世界中に「ヤンマー」の持つ本質的価値を発信する「YANMAR PREMIUM BRAND PROJECT」を始動させる。

今後、食とエネルギーを支えるヤンマーの事業。それは、「大地(農業)」「都市(エネルギー・建設機械)」「海(マリンインダストリー)」の3つのフィールドで展開される。従来は社会を黒子的にサポートする役割と捉えられてきたこれらのカテゴリーを、世界最先端のエンジニアリング力と大胆な企画・提案により進化させ、また、「Solutioneering」を掲げる企業として、ユーザーの想像をこえるソリューションで、ユーザーの生涯価値を高め、産業そのものの価値までも高め、次の時代の高付加価値領域、すなわち「プレミアムフィールド」へとユーザーと一緒に進んでいく。そんな思いで「大地」「都市」「海」の新しい未来が描かれる。

その取り組みとしてとして、総合プロデューサーの立場でクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏を迎え、コミュニケーション全体を統轄。すべてのコミュニケーション領域で新しいヤンマーをトータルに打ち出していく。

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そして、「フェラーリ・エンツォ」でイタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした男として話題となり有名となった世界的工業デザイナーの奥山清行氏が取締役に就任。これにより、奥山氏のデザイン事務所「KEN OKUYAMA DESIGN」が、「ヤンマー」の全商品のデザインを手がけることになり、これからの商品のあり方をダイナミックに発信する。

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また、世界で活躍するファッションデザイナーの滝沢直己氏を迎え、アパレルプロジェクトを始動。新しい農業にふさわしい機能的でファッショナブルな農業専用ウェアや、マリンライフをより楽しくするプレミアムマリンウェアが手掛けられる。

そして、意欲的なファーマーと生活者を直接結ぶ「プレミアム・マルシェ」を東京・大阪・上海・バンコクにて展開。同時に朝日放送で時代を牽引する最先端農家とプレミアム野菜のレシピを紹介するテレビ番組を開始し、農業に関わる新しいライフスタイルを先ずは日本から、そしてアジアの国々に発信。新しい「農」をクリエイト。

オフィシャル・グローバル・パートナーを務める「マンチェスターユナイテッド」のアジアツアー2013「ヤンマープレミアムカップ」を7月26日に開催し、前日に「ヤンマー」が提案する新しいコンセプトのプロダクツとプレミアムウェアを「マンチェスターユナイテッド」の選手を招いて発表。9月には、サンフランシスコで行われる世界最高峰の国際ヨットレース「アメリカズカップ」において、前回チャンピオンチーム「オラクルチームUSA」のオフィシャル・テクニカル・パートナーとして、これまで蓄えてきた海に関わるノウハウ、技術で強力にサポートすることになっている。

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新たなプレミアムフィールドに向けて動きだす「ヤンマー」に注目したい。