2017年の展覧会
エリザベス・ペイトンは、1990年代初頭より絵画や素描、版画を中心に制作してきたアメリカの女性作家である。
中でも肖像画が特に知られているが、彼女の描く対象は、親しい友人からカート・コバーンなどのカルチャーアイコン、バイエルン王のルートヴィヒ 2世をはじめとする歴史上の人物までと幅広い。自身にとって「憧れ」の存在や「美」を描いた肖像画の数々は、1990年代半ば、時代に新風をもたらす「新しい具象画」と称された。
そんなペイトン作品最大の魅力の1つは、人物像の美しさといえる。特有の色彩や繊細な線づかいをもって、対象の情熱や魅惑、そして、美しさを引き出すペイトンは、控えめなサイズに大胆な描写を組み合わせることで、人物の外面と内面との間に生まれる緊張感も同時に表現する。
※続きはこちら