テオドール・シャセリオー
19世紀フランスのロマン主義画家テオドール・シャセリオー。新古典主義を代表するフランス人画家ドミニク・アングルを師に持った彼は、「この子はやがて絵画界のナポレオンになる」と言わしめるほどの才能の持ち主であった。
シャセリオーの師匠であるドミニク・アングルは、19世紀前半、ダヴィッドから新古典主義を継承、特にダヴィッドがナポレオンの没落後の1816年にブリュッセルに亡命した後に注目され、古典主義的な絵画の牙城を守った画家として知られている。
アングルは、絵画における最大の構成要素はデッサンであると考え、その結果、色彩や明暗、構図よりも形態が重視され、安定した画面を構成した。アングルのその作風は、イタリアのルネサンスの古典を範と仰ぎ、絵画制作の基礎を尊重しながらも独自の美意識をもって画面を構成している。
※続きはこちら