レンブラント・ファン・レイン
レンブラントは、同じオランダのフェルメール、イタリアのカラヴァッジョ、フランドルのルーベンス、スペインのベラスケスなどと共に、バロック絵画を代表する画家の1人であり、また、ヨーロッパ美術史における重要人物の1人である。
「光と影の画家」「光と影の魔術師」の異名を持つレンブラントの生涯の創作活動は、物語、風景、また、肖像を絵の主題とした。そして、最終的に感情や細部まで緻密に描写する技能に裏打ちされた彼が描く天才的な聖書物語の解釈は、同時代人から高い評価を受けた。レンブラントの絵画は、初期の「滑らかな」技法がもたらす奇術のような形式を持つ描画に見られる卓越した技能から、後期の画面上に現れる豊かで多彩な「荒々しい」様がもたらす画材そのものが作り出す触覚にさえ訴えかける質感が与える幻影的手法へと進歩した。
レンブラントは数多い自画像を描いている。当時、絵画は依頼に基づいて製作されたものが売買されており、画家の自画像などに買い手はいなかった。そのため彼は、基本的に絵の研究をするためにこれら自画像を描いていたと思われる。構図や表情の多様さや、色々な衣装などをまとった姿を使い、効果的な構図を探ったものと考えられた。
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