にんげんだもの
平易な詩を独特の書体で書いた作品で知られる「書の詩人」「いのちの詩人」とも称される、詩人でもあり書家の相田みつを。
1924年に栃木県足利市に生まれた相田の生家は、名刹「鑁阿寺(ばんなじ)」の東に位置してい。旧制栃木県立足利中学校在学中に書や短歌、絵に親しみ、卒業後は歌人の山下陸奥に師事した。
1942年、歌会で生涯の師となる曹洞宗高福寺の武井哲応と出会い、在家しながら禅を学んだ。そして、翌年には書家を志して岩沢渓石に師事、本格的に書の修行を積んだ。
相田は書の最高峰の1つとされる毎日書道展に1954年から7年連続入選するなど、技巧派の書家として出発した。1947年の鄭道昭の臨書「鄭文公碑臨書」で古典書道における実力を示す一方、1950年に栃木県芸術祭書道中央展に出品した「宿命」では、伝統的な書道界に対する複雑な思いを詩文書の形で吐露。専門家でなければ理解しにくい書の在り方に疑問を抱き、「書」と「詩」の高次元での融合を目指すようになり、30歳の頃には独特の書体で、短く平易な自らの言葉を書く作風を確立した。
※続きはこちらでご覧ください。