吉田吉蔵のカバン
幼い頃に観た黒澤明監督作品の「天国と地獄」で、走っている特急「こだま」の7センチしか開かない洗面所の窓から身代金を入れたバッグを落として受け渡すシーンは印象的で、今でも記憶の片隅に残っている。
エド・マクベインの小説「キングの身代金」に触発された黒澤監督が映画化した「天国と地獄」には、徹底的に細部にこだわった推理映画へのチャレンジと、そして、当時の誘拐罪に対する刑の軽さに対する憤りが込められている。
またいつの日か、機会があれば映画「天国と地獄」についてお届けするとして、今回の主役は、身代金が入ったバッグである。このバッグ、「吉田カバン」の創業者である吉田吉蔵によって製作された特注品の革のブリーフケース。ちなみに、撮影当時には3つのサンプルが製作され、「吉田カバン」では今でもその1つが大切に保管されている。
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