ジャン・プルーヴェ
合理的で無駄がなく、そして、美しい。フランスの建築家でありデザイナーのジャン・プルーヴェは、間違いなく20世紀を代表するデザイナーの1人である。
建築生産の工業化に大きな役割を果たし、オリジナルのヴィンテージ家具の中にはオークションで数千万の値段がつくものもざらにあり、世界中のセレブがこぞってコレクションしているという。ブラッド・ピッドやマーク・ジェイコブスなどがコレクションしていることでも有名。
1901年にパリに生まれたジャン・プルーヴェの父、ヴィクトール・プルーヴェはナンシー派の工芸家であり、親交があったエミール・ガレは、ジャンの名付け親でもある。母のマリー・デュアメルはピアニスト。ジャンは、アール・ヌーヴォーの一大拠点であったナンシーの地で多くの工芸品に囲まれて育つことになる。
1916年に金属工芸家のエミール・ロベールのもとに弟子入り。その後、アダルベール・サボーの工房に移る。パリの鉄工所で働いたり、騎兵隊への従軍経験などを経た後、1923年に独立。自らの工房・スタジオをナンシーに構え、鉄製のランプやシャンデリア、階段の手摺などの製作やデザインを手掛けた。
1927年にロベール・マレ=ステヴァンから「レーファンベール(ライフェンベルク)」邸の入り口格子のデザイン・制作の依頼を受けたことを契機として、ル・コルビュジエを中心とするサークルと関係を持つようになり、1930年にはマレ=ステヴァン、ル・コルビュジエ、シャルロット・ペリアンらと共に、「ロジックとバランスと純粋性」をマニフェストに掲げる「現代芸術家連盟(Union des artistes modernes)」の創立メンバーとなった。
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