Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

フィリップ・K・ディック

アメリカのSF作家であるフィリップ・K・ディック(Philip K. Dick)は、イリノイ州シカゴで、二卵性双生児の一子として生まれたが、双子の妹は40日後に死去している。この出来事は彼の作品や人間関係、そして、人生にまで大きな影響を与え、数多くの作品に「幻影の双子」のモチーフが登場する原因となった。

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1952年の小説「ウーブ身重く横たわる」で本格的にデビュー。ただ、1950年代初期に執筆した処女作「市に虎声あらん」は、核実験やカルト宗教を題材にしたSFではない文学作品だったが、暴力描写などが原因で生前は出版社に拒否され、結局出版できたのは2007年であった。また、1951年に出版社に売れた最初の小説「ルーグ」も修正を指示され、雑誌に掲載できたのは1953年だった。

1955年の長編「太陽クイズ(偶然世界)」で注目を集め、1963年に歴史改変SFの「高い城の男」で、「ヒューゴー賞(主としてSF・ファンタジー・ホラーを対象とする賞)」を受賞。ちなみに、SFに与えられる賞としては、アメリカSFファンタジー作家協会 (SFWA) の会員投票で選ばれる「ネビュラ賞」と知名度を二分する。また、1975年には未知のパラレルワールドで目覚めた有名人を描いた「流れよ我が涙、と警官は言った」でジョン・W・キャンベル記念賞を受賞した。彼は生前に44編の長編と121編の短編小説を書き、そのほとんどがSF雑誌に掲載された。しかし、SF界の天才と称されたフィリップ・K・ディックだが、出版社との折り合いが悪く、経済的には恵まれなかったという。

彼の小説は社会学的・政治的形而上学的テーマを探究し、独占企業や独裁的政府や変性意識状態がよく登場する。後期の作品では、形而上学と神学への個人的興味を反映したテーマに集中しており、しばしば個人的体験を作品に取り入れ、薬物乱用や偏執病・統合失調症や神秘体験が描かれている。

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