Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

モダニズムのモーツァルト

ノーマン・フォスターは、メリット勲章を受章しているテムズバンクのフォスター男爵という一代貴族爵位を持つ建築家。

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フォスターはマンチェスター大学とイェール大学で学び、建築士・思想家であったバックミンスター・フラーのもとで働いた後、建築家リチャード・ロジャースと会い「チーム4」を結成。そして、1967年に自分の事務所「フォスター・アソシエーツ」、現在の「フォスター・アンド・パートナーズ」を設立した。

彼の名声を世に知らしめたのは、1985年に完成した香港の「香港上海銀行・香港本店ビル」。建物を支えるために通常の柱や壁を使わず、建物の外側に鋼鉄フレームによる太い構造をむき出しにさせ、このフレームで超高層ビルを支えることに成功した。

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この記念碑的なハイテク建築の後、1991年のドイツ・フランクフルトの「コメルツ銀行本店ビル」ではエコロジカルな超高層ビルを実現。300mの超高層ビルを貫く吹き抜けのアトリウムを中央に作り、周りに柱のないオフィス空間を配し、さらにビルのフロアは4つから5つに分節され、その間に日光と緑のある「スカイ・ガーデン」が挟み込まれた。「スカイガーデン」の窓を開閉することにより、新鮮な外気が各ガーデンからアトリウムを通ってオフィスの隅々にまで行き渡る自然換気が実現された。

超高層を支える構造体、換気や冷暖房などのエネルギーを無駄遣いしないエコロジカルで快適なオフィス空間という手法は、マレーシア・ペナンの「MBFタワー」やロンドンの「ロンドン市庁舎ビル」、「セント・メリー・アクス30番地(スイス・リ本社ビル)」など、後のビルでも使われている。

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