Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

祝オープン

4月26日の金曜日には、JR大阪駅北側の再開発地区「うめきた」に複合ビル群「グランフロント大阪」が開業した。初日には30万人以上の人が訪れる盛況ぶり。また梅田が賑やかになった。

しかし、ミナミも新店ラッシュで梅田に対抗する。4月13日には日本最大規模の店舗「H&M SHINSAIBASHI(心斎橋)」が心斎橋にグランドオープンした。売り場面積が約3000平方メートル、地上4階、地下1階の5層構造で、レディス・メンズ・キッズすべての商品を扱うフルラインナップを展開。国内通算28店舗目で、関西のフラッグシップに位置付けられる。

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関西地区では2011年3月6日に心斎橋の新店舗から徒歩10分足らずの戎橋に「H&M EBISUBASHI(戎橋)1」を初出店。同年11月19日には向かいに2店目の「H&M EBISUBASHI 2」をオープンした。心斎橋店のオープンを機に「H&M EBISUBASHI 2」は一旦閉店し、6月1日にグループの別業態「WEEKDAY(ウイークデイ)」と「MONKI(モンキ)」へ転換し、再オープンする予定。

「H&M SHINSAIBASHI」は心斎橋地区の目抜き通り、心斎橋筋商店街に面した好立地に位置する「心斎橋パルコ」の跡地を再開発した施設「心斎橋ゼロゲート」に入居。フロアは地階「メンズ」、1階「レディス・アクセサリー」、2階「レディス」、3階「レディス・ランジェリー・マタニティー」、4階「キッズ」(身長50-170㎝)の計5層で構成。キッズラインの展開は大阪では初。各フロアにはマネキンを使いコーディネートを発信するスペースを設け、エスカレーターの配置や比較的ゆとりのある通路など、回遊性・買い回りを考慮した売り場レイアウトで家族連れがゆっくりと買い物できる空間のフル・コンセプトの店舗。

ちなみに、新店舗の周辺には同業他社のファッション関連の路面店が集積する。「ギャップ」「ザラ」のほか、通りを隔てた正面には「ユニクロ」のグローバル店舗がある。戎橋店に至るまでの商店街筋には「ベルシュカ」や「G.U.」、「ジャーナルスタンダード」や「トミー・ヒルフィガー」、大丸大阪心斎橋店などが軒を並べている。

そして、4月20日にはロサンゼルス発のファストファッションチェーン「FOREVER21(フォーエバー21)」の関西1号店が大阪道頓堀にオープン。パルコが新規開業する商業施設「道頓堀ゼロゲート」の地上1~地上3階に出店。渋谷店に次ぐ国内2番目の店舗面積で、関西エリアの旗艦店。

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ビルを一棟借りする「フォーエバー21 大阪道頓堀店」は、店舗面積約3800平方メートル。原宿店と同じ全面ガラス張りの外壁で、大きなデジタルサイネージが設置されている。入口には2層の吹き抜けがあり、明るく開放的な印象。1階「レディス、メンズ、小物」、2階「ウィメンズ、キッズ(ガールズ)、デニム」、3階「レディス、アクセサリー・小物、シューズ、ランジェリー、ベーシックウェア」とフルラインで構成。1階吹き抜け近くのウィメンズ売り場では、サマーフェスをテーマにしたコレクションを前面に打ち出す。

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また、ウエスタンとボヘミアンを融合した甘すぎないスタイルや、クールなアーミー調スタイルなどトレンドのスタイリングを展開する。2階では「FOREVER21」を卒業した大人向けのライン「LOVE21」を拡充。3階ではとくにシューズサロンとアクセサリーコーナーを強化し、商品バリエーションを増やしている。

「FOREVER21」は、2009年4月に東京の原宿に日本1号店をオープン。翌年、「銀座」「ららぽーとTOKYO BAY」「新宿」「渋谷」に出店した後、郊外SCやアウトレットモール、福岡、仙台にも出店している。大阪道頓堀店は国内13店舗目。規模や立地などの条件に合う物件をようやく確保でき、待望の関西初出店となった。なお、関西で複数店舗出店を考慮中で、現在、梅田、神戸、京都で物件を探しているという。

そして、「グランフロント大阪」開業前日の4月25日には、スペイン発のカジュアルファッションブランド「デシグアル(Desigual)」が、心斎橋に関西初となる旗艦店をオープンした。

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1984年にスペインで立ち上がった「Desigual」は、カラフルで大胆なグラフィック柄が特徴的。無地アイテムは1つとしてなく、たくさんの色や楽観的なメッセージ、楽しい服を特徴とした、流行に流されないオリジナルファッションを追求するブランドである。通常の商品群の他にも「ディズニー」やエンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」とのコラボ商品、デザイナーのクリスチャン・ラクロワとのコラボした「デシグアル by L」などを展開している。この心斎橋店でも同コラボ商品を扱う。

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今回の新規出店をアジアにおける進出戦略の一環と位置付けているという。日本では原宿の明治通り沿いの「Desigual Tokyo Harajuku」を皮切りに、イオンモールが手がける「神戸ハーバーランドumie(ウミエ)」や成田国際空港から車で約10分の「酒々井(しすい)プレミアム・アウトレット」、「阪急百貨店イングス館」跡地の「梅田OPA(オーパ)」など、話題の新商業施設に続々と直営店を出店。5月までにアウトレット業態を含む計11店舗まで店舗網を広げる計画という。

大阪心斎橋筋界隈には外資系SPAブランド大型店の出店が続いている。「H&M」の関西旗艦店や「フォーエバー21」の関西旗艦店のどちらもが1000坪級の巨大店である。その中で、スペイン発SPAである「Desigual」もオープンした。

グローバルSPAブランドが続々と日本市場へ参入してきていることの事象としては象徴的だが、このブランドをファストファッションと括ることはいささか無理がある。例えば、Tシャツの中心プライスは6900円から12900円で、これはファストファッションブランドとして考えられない高価格。また、「トレンド商品を素早く提供する」というのがファストファッションの定義であるが、「Desigual」はトレンド追求要素が極めて薄い。個性的なグラフィック柄を前面に打ち出したファッションがどこまで日本市場に受け入れられるか今後の動静が注目されるところだ。

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キタもミナミも頑張っているオオサカである。