アラフォー誌
1月末のこの「Touch the Heartstrings」の前身である「日々雑感」で女性誌を取り扱った記事を掲載した。40代の「独身」女性をターゲットにした新雑誌「DRESS(ドレス)」が、2013年4月1日に創刊されるという内容のものだ。
この雑誌の発行元は、最高顧問に秋元康氏、名誉会長にエイベックス・グループ・ホールディングスの松浦勝人氏、取締役会長に幻冬舎の見城徹氏、取締役副会長にサイバーエージェント藤田晋氏という、各界で「風雲児」と呼ばれるヒットメーカーが結集した豪華な顔ぶれを揃えた新会社「gift(ギフト)」。そして、代表取締役社長は「美魔女」ブームの仕掛け人でファッション誌「美STORY」の元編集長である山本由樹氏。山本氏は、年齢を超えた美しさを持つ女性を「美魔女」と名付け、2010年から「国民的美魔女コンテスト」を開催し、アラフォー世代の女性の生き方を変え、社会現象にまでした人物。
「DRESS」の創刊には、40~45歳の独身率が約26パーセントを占めるという現状に着目し、年々増え続けているという「シングルアラフォー女性」たちをターゲットに、ファッション、ビューティー、コンフェッションの3本柱で構成した「大人の恋愛雑誌」として発行される。
創刊キャッチフレーズは「LOVE 40」。雑誌名には「DRESSをまとわなくても輝く自信がある女性たちを増やしていきたい」という思いが込められている。編集長は山本由樹氏が務め、副編集長には「VERY」「STORY」など女性誌でファッションページを中心にライターとして活躍してきた渋澤しょうこ氏が担当。また、ファッションディレクターとして大草直子氏を迎える。
秋元康氏のプロデュース力、松浦勝人氏のクリエイティブ力、藤田晋氏のネット発信力を融合し、「DRESS」という雑誌を核にした新しいビジネスが展開される。もちろん、WEBとの連動にも力を入れており、SNSを活用したコミュニティや、雑誌と連動したECを開設。また、「一休.com」と連携してラグジュアリーな宿泊施設、レストラン、スパの予約を可能にする他、オリジナル商品やコラボ商品を揃える雑誌連動型通販「DRESS CLOSET」が展開されている。
さらに、読者同士の共感を熟成するシークレットSNSサービスを提供。サイト内では、各界の「DRESSな女たち」を大臣として、「女のための女の内閣」を組織。恋愛担当相には北川悦吏子、美容担当相には藤原美智子などが就任し、日替わりで大臣からの提言をコラム形式で発信される。ちなみに、各大臣は下記の通り。
「女のための女の内閣」
結婚問題相 :小島慶子(タレント、エッセイスト、ラジオパーソナリティー)
おしゃれ担当相 :大草直子(エディター、スタイリスト、『DRESS』ファッションディレクター)
美容担当相 :藤原美智子(ヘアメイクアーティスト、ラ・ドンナ主宰)
恋愛担当相 :北川悦吏子(脚本家、映画監督)
からだ問題担当相 :宋美玄(産婦人科女医、性科学者)
金融担当相 :和泉昭子(生活経済ジャーナリスト、ファイナンシャル・プランナー)
生き方担当相 :進藤やす子(イラストレーター)
社会貢献担当相 :林民子(NPOソーシャルコンシェルジュ主宰)
働き方担当相 :安藤美冬(株式会社スプリー代表)
仕事をしていてもしていなくても、子供を産んでも産まなくても、働くとか働かないとか、女性の人生は選択の連続。どんな選択をしようとも自由で輝いていられるような、柔軟性のある社会にしたいという目的のもと「DRESS」は創刊される。ちなみに、創刊1年間の表紙モデルは女優の米倉涼子が飾る。
そして、「DRESS」創刊を記念して伊勢丹新宿店とコラボしたイベントが3月27日から4月9日まで開催される。表紙モデルの米倉涼子が誌面で着用した10枚のドレスを伊勢丹新宿店1階のショーウインドーでディスプレイするほか、本館の壁面には大型ビジュアル幕が登場。
また、特別企画として別冊「DRESS × ISETAN BOOK」を制作、米倉が着用する伊勢丹新宿店限定ドレスや、「DRESS会員が歩く新しい伊勢丹」と題しリモデルオープンした伊勢丹新宿店の魅力が紹介されている。
各界の「風雲児」たちは、従来の雑誌領域を超えた新たな時代の出版ビジネスの構築を目指しているようだ。これからの展開にも注目したい。