Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

モザイクタイル

建設資材の1つである「タイル」の語源は、ラテン語で陶製の屋根板を指す「tegula/テグラ」に由来すると言われている。なお、「テグラ」は広義には「ものを覆う」という意味があり、近世以降、屋根瓦と建築物の表面を覆う陶製の薄板の双方を「テグラ」と呼ぶようになっている。

「タイル」の歴史を遡れば、最初のものとして挙げられるのが、古代エジプトのピラミッドに使われた青色の陶片といわれており、現存する世界最古のタイルは、エジプト第3王朝のジェゼル王が紀元前27世紀に建てたサッカラの階段ピラミッドの通路に貼られた青釉のタイルと推測されている。

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しかし、この後、同様の装飾技法を使用した例はしばらく見られず、次に登場するのはイスラムの世界。偶像崇拝が禁じられ、彫像が作られなかった代わりのように、壁一面装飾タイルで覆われるモスクが登場した。続いて中世のヨーロッパで象嵌タイルの手法による床タイルが作られるようになり、15世紀ごろからはイスラムの影響が強かったイベリア半島で、絵付けを施したいわゆる「マジョリカ・タイル(マヨリカ焼き)」が登場する。

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