Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

カンディダ・へーファー

ドイツの現代写真を代表するアーティストのカンディダ・へーファーによる個展が、東雲のユカ・ツルノギャラリーで。5月10日まで開催されている。

カンディダ・へーファーは1944年に生まれ、現在はドイツ・ケルンを拠点に活動を展開する「ベッヒャー派」の現代写真家。「ベッヒャー派」とは、近代産業の遺物的な建造物写真を撮ったベルント・ベッヒャーの薫陶を受けた一群の写真家たちのこと。1976年から、夫人のヒラとの活動で知られるベルント・ベッヒャーは、デュッセルドルフ美術アカデミーで教鞭を執り、ベッヒャーの教えを受けた、アンドレアス・グルスキー、トーマス・シュトゥルート、トーマス・ルフやカンディダ・ヘーファーらを総称して「ベッヒャー派」と呼んでいる。

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溶鉱炉や給水塔のシリーズで知られるベッヒャー夫妻の作品に典型的であるように、「ベッヒャー派」の特徴は、「タイポロジー(類型学)」と呼ばれるコンセプトにある。「タイポロジー」は、共通する類型によって収集されたイメージ群を提示することで、記号化されたイメージ相互の意味的差異を抽出する形式的な手段であり、いわば、ミニマリズム的な同質なるものの反復によって、逆説的に差異を見出すことにその主眼があると言える。「ベッヒャー派」と呼ばれる作家たちのすべてが、「タイポロジー」の方法論を強調しているわけではないが、形式やルールに従って撮影や作品制作を行なうといった態度は、「ベッヒャー派」の作家に共通して指摘できる点である。

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