Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

安藤忠雄とコマンドゥール

日本を代表する建築家の安藤忠雄は、大阪市港区で生まれた。双子の兄で、さらに弟がいる三人兄弟。双子の弟は東京で都市コンサルタントや商品デザインをしている北山創造研究所を主宰している北山孝雄。下の弟はピーター・アイゼンマンとのコラボレーションで名を馳せた建築家の北山孝二郎。

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安藤は一人娘だった母親の実家を継ぐために、生前からの約束にしたがって大阪市旭区の祖父母の養子となり、大阪の下町にある間口2間、奥行き8間の長屋で育った。

大阪府立城東工業高等学校卒業後に、前衛的な美術を志向する具体美術協会に興味を持ち、関わったこともあるが、大学での専門的な建築教育は受けておらず、関西の建築家で都市計画家の水谷頴介などの建築設計事務所でのアルバイト経験と独学で建築士試験に合格した。

木工家具の製作で得た資金を手に、24歳の時から4年間アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジアへ放浪の旅に出た。ヨーロッパからの帰路、マルセイユで数週間待たされた後、帰国の船に乗り、象牙海岸、ケープタウン、マダガスカルに立ち寄り、インド・ムンバイで下船。安藤は何かに導かれるように汽車に乗り、ベナレスに向かった。

ガンジス川で牛が泳ぎ、死者が荼毘に付される傍らで多くの人々が沐浴する様や、強烈な太陽の下、異様な臭気に包まれた果てしなく続く大地、「生」と「死」が渾然一体となり人間の「生」がむき出しにされた混沌世界に強烈な印象を受け、逃げ出したい気持ちを必死にこらえながらガンジス川の岸辺に座り込み、「生きることはどういうことか」を自問し続けた。

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