Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

監督50周年の山田洋次

東京国立近代美術館フィルムセンターが、12月3日から2014年1月22日までの期間、山田洋次監督の回顧上映を開催する。ただ、回顧上映といっても山田洋次監督は存命する人物である。

山田洋次監督は、映画監督としては3人目となる文化勲章を受章し、評論家や文化人の支持も高く、現役でもっとも多くキネマ旬報ベストテンに入賞した監督である。そして、2008年には小津安二郎以来、映画監督で2人目の芸術院会員となっている。また、中国などでも日本映画界の第一人者として知られ、財団法人いわさきちひろ記念事業団理事長、関西大学大学院文学研究科と立命館大学映像学部の客員教授文化学院の特別講師としても活動している。

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川島雄三野村芳太郎の助監督を経て、1961年に「二階の他人」で監督デビューし、山田洋次の監督人生がスタートした。1966年の「運が良けりゃ」「なつかしい風来坊」でブルーリボン賞監督賞を受賞し、1969年に公開された「男はつらいよ」は大ヒットを記録した。渥美清主役の「寅さん」が国民的存在となっただけでなく、作品も1995年の最終作までに計48作を数える世界最大級のシリーズとなり、毎年盆と暮れの興行は日本人の風物詩、国民的映画とまで言われた作品に成長した。ちなみに、「男はつらいよ」全作品がヒットして松竹のドル箱シリーズとなり、30作を超えた時点で世界最長の映画シリーズとしてギネスブック国際版にも認定されている。

余談ながら、「男はつらいよ」は1968年~1969年にフジテレビが制作・放映したテレビドラマが最初。このテレビ版はヒットしたが、最終回で寅次郎がハブを取りに行こうとして、逆にハブに噛まれ、毒が回り死んだと言う結末に視聴者から多数の抗議が殺到して、その後、映画化につながったという。

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