Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

孤独のグルメ

最近ツボにはまっている「食べ物」が主役のテレビドラマがある。ふと食べたいと思ったものを、ただただ美味しそうに食べる井之頭五郎の姿が人気となり、「癒し番組」とも「夜食テロ」とも呼ばれる「孤独のグルメ」である。

短命だった扶桑社の「PANjA」誌上で久住昌之谷口ジローによる「孤独のグルメ」の連載が始まったのは、1994年10月号。「東京都台東区山谷のぶた肉いためライス」に始まった連載は「東京都千代田区秋葉原のカツサンド」まで続いて一旦中断。連載されていた当時、雑誌の売れ行きが低迷していたことも影響したのか、この連載はまったく注目されていなかった。その後、休刊の翌年に1997年10月に単行本が発売されるものの、まったく話題にはならなかった。

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このまま「知る人ぞ知る」マニアックな作品として消えていく運命にあったかも知れない「孤独のグルメ」が、巷でのB級グルメブームと共に脚光を浴びるようになった。2000年には文庫化され、ジワジワと売れ続け、異例のロング&ベストセラーになった。2008年からは「週刊SPA!」で掲載復活。年に2~3作ペースながら新作が掲載されるたびに話題を呼んでいる。

そして、2012年からテレビ東京系列において「孤独のグルメ」が実写化でテレビドラマシリーズ化。昨年1~3月に放映された「season1」、10~12月の「season2」に続く待望の「season3」が現在放映中。個人で雑貨輸入商を営んでいる井之頭五郎が、仕事の合間に立ち寄った店で食事をする様が描かれた「ゆる~い」ドラマである。五郎が訪れる店は高級料理屋などではなく、大衆食堂のような店がほとんどで。また、出先での食事がメインのため、出張などを除けば大半が東京を中心とする関東の店となっている。

訪れる町々で自分のカンと嗅覚を信じ、旨い料理を探し出して食べまくるこのドラマは、料理の「うんちく」を語るのではなく、ひたすらに五郎の食事シーンと心理描写を綴っているのが特徴。ドラマティックな展開などは少なく、あたかもドキュメンタリーのごとく淡々とストーリーが流れていく。

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