Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

プレタの草分け

古き佳き時代、高級メゾンではオートクチュールのみを取り扱っていた。一部の富裕層にはそれで十分であったが、一般層は地方の裁縫師が作る質の劣るコピー商品を着るしかなかった。

エジプトのアレクサンドリアで貴族として生まれたものの、第二次大戦中にパリに逃亡してきたギャビー・アギョンは、1950年代のファッションの堅苦しさを嫌い、また、市場とのギャップも感じたことから、「ラグジュアリー・プレタポルテ」と称して、高品質でソフト、そして、ボディコンシャスな既製服を高級生地を使って作ることを思い立った。

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オートクチュールは限られた個人客からの注文を受け、一点一点手作業で制作した服を顧客に渡すという流れだが、プレタポルテは、基本的には卸売から大量受注して小売する流れとなる。「プレタポルテ」以前の既製服は、既製品という意味を持つ「コンフェクション」や「レディ・メイド」と呼ばれていたが、これらの言葉が「大量生産された粗悪な安物」というニュアンスを持っていたため、それらと区別するために「プレタポルテ」という言葉が誕生した。そのため、日本語では「プレタポルテ」をそのまま「既製服」と訳さず、「高級既製服」と訳されることが多い。

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