Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

メキシカン・スーツケース

今年はロバート・キャパの生誕100年の記念すべき年だ。2月3日の「日々雑感」では、横浜美術館で「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」展が開催されていることを掲載した。

スペインで1936年に共和国政府が成立すると、それに反対するフランコ将軍派との間で内戦が起き、人民戦線兵士がコルドバで頭部を撃ち抜かれ倒れる瞬間をとらえた「崩れ落ちる兵士」は、ニュース誌に幾度となく掲載されたロバート・キャパの代表作。彼は報道写真家として戦争の生々しい現場をフィルムに収めるとと同時に、温かな視線で人々の暮らしの様子も撮り続けた。

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横浜美術館での展覧会では、キャパの公私にわたるパートナーで、スペイン内戦の取材中に27歳の誕生日の6日前という若さで亡くなったゲルダ・タローの作品がまとめて紹介されれたのは日本では初めてのことだった。2007年にニューヨークの「ICP(国際写真センター)」でタローの初めての個展「Gerda Taro Retrospective」で展示されたオリジナルプリントを中心とする写真83点や、キャパの実弟から横浜美術館に寄贈されたキャパの作品193点が掲載誌などと併せて一堂に展示された。

そして、この夏「メキシカン・スーツケース ロバート・キャパとスペイン内戦の真実」という映画が公開される。2007年にメキシコで発見された3つの箱に関する物語である。第二次世界大戦の初めの混乱のさなか、行方知れずとなっていたこの箱の中には、伝説的な写真家ロバート・キャパが撮影したスペイン内戦の写真のネガが数多く入っていた。70年の時を経て発見されたその箱は、やがて「メキシカン・スーツケース」という名で知られるようになった。

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