Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

ラグジュアリー

最近、友人との会話で印象深いコメントが何となく心に残っている。他愛もないことなのだが、言い得て妙という趣がある。

友人曰く、今は「ゴージャス」から「ラグジュアリー」の時代に移行した言う。例えば、「ベンツ」ではなく「マセラティ」、「ロレックス」ではなく「リシャールミル」。この微妙なニュアンスが判る人はなかなかの「通」だと思う。ただの贅沢や豪華さではなく、そこに個人的な感性やセンスがプラスされたような感覚がトレンドになっていると現状を分析し、絶対数はまだまだ少ないが、セレブ層と言われる人種が「ゴージャス」派から「ラグジュアリー」志向に向かっている傾向があると断言する。なかなか面白い意見だと感心してしまう。

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バブル時代、人々はこぞって「ゴージャス」を謳歌した。そこに感性は介在せず、「金」のパワーだけが存在した。その代表格が、飲み屋で飛び交う「ドンペリ」という言葉の心地よい響き。「ドンペリ」こと「ドン・ペリニヨン」は、ご存知の通り、フランスのモエ・エ・シャンドン社によって生産されるシャンパンの銘柄。

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バブル最盛期には、一部の成金の間で高級な赤ワインのロマネ・コンティをドン・ペリニヨンのロゼで割った「ロマコンのピンドン割り」というバカポンな飲み方が流行ったこともあるという。

余談ながら、「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンドは、ドン・ペリニヨンが大好物。1962年公開の「007/ドクター・ノオ」では、「1955年のドン・ペリニヨン」を武器として使用する際に、「私が飲むのなら1953年物だ」と粋なセリフを残し、また、1964年公開の「007/ゴールドフィンガー」の中でも、「華氏38度(摂氏3度)で保管しなければならない。」とのオシャレなセリフが印象的。

しかし、近年の「007」シリーズでは、プロダクトプレイスメント契約によって、1987年公開の「リビング・デイライツ」以降は、ドン・ペリニヨンではなくライバルメーカーの「ボランジェ」が愛飲されるようになった。2002年公開の「007/ダイ・アナザー・デイ」では、ドン・ペリニヨンではなく「ボランジェがいい」というセリフまで言い放つ。ま、スポンサーあっての映画だけに仕方ない。

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最近のアベノミクス効果かも知れないが、何となく景気が浮き足立つ今日この頃。財布の紐が緩みつつあるようだ。「バブル」「ゴージャス」の象徴とも言える「ドンペリ」も、世相を反映し「ラグジュアリー」にシフトしようとしている。

「ブルガリ ホテルズ&リゾーツ・東京レストラン」と「ドンペリ」がコラボし、ブルガリ銀座タワー最上階のオープンエアーのイタリアンガーデン「ラ・テラッツァ ラウンジ」が「ラ・テラッツァ ドン・ペリニヨン ラウンジ(BVLGARI La Terrazza Dom Perignon Lounge)」として、4月19日にラグジュアリーな空間として生まれ変わった。ミラノの「ドン・ペリニヨン ラウンジバー」に続く2施設目で、アジアでは初出店。

「ドンペリ」のブランドアイデンティティ、そして、ブランドを象徴するアイコン的イメージが創作の源となり、具現化したエクスクルーシブな空間は、ダークカラー、ブロンズ色のロゴ、シールド(盾)の三要素から構成される「トリニティ」を基本としている。

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「ドンペリ」オリジナルデザインのテーブルやバーカウンター、ヴィンテージを創り出すごとに新たな価値を紡ぎ出し、自己を刷新していく「ドンペリ」と同様の挑戦と革新性、創造性を感じさせるフィリップ・スタルクの重厚な椅子、これらがシンプルで上品なコンテンポラリーデザインの縮図であるイタリアンガーデンと見事なまでに融合し、荘厳でミステリアスな空間を演出する。

料理は、ミシュランの星を獲得している「ブルガリ イル・リストランテ」のエグゼクティブシェフのルカ・ファンティンによる、ドン・ペリニヨンのフード&ワインフィロソフィーに基づいたエレガントで繊細な味わいのイタリア料理。最高の旬の食材を使用したパスタがメインのランチ、イタリアンスタイルのフィンガーフードやドルチェを宝石のように散りばめた「アフタヌーンティー・ボックス」、小さな食事を4種類並べた「センサツィオーニ」、土日祝日限定のブランチなど、どれも「ドンペリ」と最高のハーモニーを奏でる。

また、グラスでも楽しめる「ドン・ペリニヨン ヴィンテージ 2003」や「ドン・ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2002」、長期熟成の「ドン・ペリニヨン エノテーク ヴィンテージ 1996」をはじめ、希少価値の高いエノテークやオールドヴィンテージ、スペシャルカクテルなど「ラ・テラッツァ ドン・ペリニヨンラウンジ」ならではの厳選された豊富なセレクションとなっている。通常市場には出回らないコレクターズアイテムをも含む充実したドン・ペリニヨンのワインリストを保持するのはアジアで唯一のラウンジと言える。

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「ラ・テラッツァ ドン・ペリニヨン ラウンジ」では、毎週木曜日と金曜日の夜に行われるライブエンターテインメントやDJイベント、シガーパーティーやシガーセミナーなど様々な企画が用意されている。そして、月曜日から土曜日の17時30分から20時の間に「ドンペリ」やスペシャルカクテルなどのアルコールドリンクをオーダーした客には、フィンガーフードが無料でもらえる「アペリティーボ」も好評だ。

バブルの申し子たちも、「ラグジュアリー」な空間と感性を堪能しながら、古き佳きバブル時代を懐かしんでみるのも、きっと楽しい時間の費やし方かも知れない。