Touch the Heartstrings

心の琴線に触れる森羅万象を日々書き綴る「Touch the Heartstrings」

円谷プロ50周年

円谷プロダクション、通称「円谷プロ」は、高度な特殊撮影技術を用いた作品を作ることで知られ、怪獣映画や空想特撮科学映画などで腕を揮い、「特撮の神様」として知られた円谷英二が、更なる特撮技術の研究や開発を行なうために立ち上げたプライベートラボ「円谷特技研究所」を母体とし、1963年に法人化し、以来50年にわたり活動を続けている。

「円谷プロ」の作品は、ウルトラシリーズに代表される様にクオリティの高い作品が多いが、1本当りの制作費が高くなり、作れば作るほど制作費の赤字がかさむという負の連鎖に長年悩まされ続けた。やがてこの問題は、同社の経営に度々大きく影響を及ぼしはじめた。

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21世紀初頭からは、大ヒット作に恵まれなかった事や、映画製作費負担の増加、長年の同族経営による経営基盤の弱体化などで経営が悪化し、2007年にCM映像コンテンツ製作などを手がける映像大手会社の株式会社「TYO」の傘下に入ることで一時的に経営の危機を回避した。

「TYO」は「円谷プロ」株式の54.4%を間接保有する事となり、「TYO」の経営参画後は、円谷一夫が「円谷プロ」「円谷エンタープライズ」の両社の取締役会長として残ったものの、円谷プロ創業以来続いてきた創設者一族の円谷家による同族経営に終止符が打たれた。

その後、「TYO」による内部的な組織改革などが進みつつ、これらと平行して、円谷とはウルトラシリーズで強い縁を持つ「BNG(バンダイナムコグループ)」が資本参加。2008年1月に「TYO」は持ち株のうち33.4%を、「BNG」の子会社である「バンダイ」に譲渡売却。2009年7月には更なる株式譲渡が行われており、現在の「バンダイ」持ち株比率は49%となり、「BNG」の円谷における経営発言力は増加した。ただし、2010年4月2日に、「TYO」は保有する51%の株式すべてを、パチンコ開発販売会社の「フィールズ株式会社」に売却、円谷プロはフィールズの子会社となっている。

現在は、テレビ作品やオリジナルビデオ作品、劇場映画の製作、保有するキャラクターコンテンツのライセンス業務、各種商品展開、保有キャラクターの魅力を最大限に活かしたイベント企画とライブステージ、関連アイテムを扱う施設の展開などを行っている。

2013年は「円谷プロ」が誕生して50周年にあたる年。それを記念してウルトラマン世代にはたまらないイベントが目白押し。3月16日には渋谷ヒカリエの足下で東急東横線と東京メトロ副都心線がつながり、新しい首都圏の交通ネットワークが誕生した。この渋谷の新しい時代の始まりを記念して「渋谷ヒカリエ 8/CUBE」で開催されたのが、光の国のフォトギャラリー ウルトラマン・オブジェクツ展「明日のヒカリへ」。

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雑誌「LEON」などの商業写真で活躍するフォトグラファーの照内潔氏や、テレビ「ウルトラマンメビウス」などの監督・特技監督東京都現代美術館「館長 庵野秀明 特撮博物館」で展示コーディネイト・ミニチュア修復師を務めたディレクターの原口智生氏、そして、アートディレクターの金原明彦氏の作品が展示された。ウルトラマンをアートの視点から捉え直した作品や、オリジナルプロップなどを通して、テレビの歴史と共に1つの文化を創ってきた「ヒカリ」の力を見つめ直し、これから拡がる渋谷の新しい文化の形を考えたイベントだ。

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また、大丸・松坂屋×パルコ共同企画として「春のウルトラサンクスフェスティバル」が開催された。この企画は、大丸・松坂屋、および、パルコが国民的ヒーローの「ウルトラマン」を生みだした「円谷プロダクション創立50週年記念」とタイアップし、「ウルトライベント」と銘打ってイベント、グッズ販売、チャリティーと多種多様な企画が実施されたが、残念ながら昨日で終了した。

総額1億円分のお買い物券が当たる「ウルトラ抽選会」や「ウルトラ兄弟を探せスタンプラリー」など、さまざまな企画があったが、中でも注目を集めたのは、円谷プロ50週年記念として販売された究極のウルトラマンフィギュア「ウルトラマン スペシウム光線プレミアムグレード」で、価格はなんと52万5000円。全長50cm、素材はレジンキャスト製、カラータイマーはサファイアが使用され、すべてが手作業の完全ハンドメイド。ポーズはスペシウム光線仕様という精巧なクオリティ。50体の限定生産。

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そして、ウルトラ世代のオトナの男性をターゲットにした、ウルトラマンシリーズの本格レザー&シルバーアイテムの予約受付が開始された。今回販売されるのは、「科特隊」や「ウルトラ警備隊」のマークがデザインされた財布やネクタイなど。人気は「科特隊」の本革長財布。流星マークが総柄型押しされたシックなブラックレザーで、ウルトラマンのカラータイマーをイメージしたコンチョがさりげないアクセントになっている。価格は3万1500円。

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この他にも、オトナ向けの洗練されたデザインのアイテムが多数取り揃えられており、子供の頃にウルトラマンに夢中になった世代の男性へのプレゼントなどにオススメ。商品の発送は5月の予定で、詳細はバンダイ公式オンラインショッピングサイト「プレミアムバンダイ」でも確認できる。

「円谷プロ」の数々の特撮作品で登場した第2の主人公ともいえる怪獣たち。鮮烈な印象を与えた「バルタン星人」や「エレキング」など、この50年間に生み出された怪獣は約2500体以上。その怪獣・怪人・宇宙人を、出来得る限り収録した大図鑑「円谷プロ全怪獣図鑑」が、円谷プロ50周年を記念して発売された。

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ウルトラシリーズはもちろん、今まであまり取り上げられることのなかった「ミラーマン」「ジャンボーグA」「プロレスの星アステカイザー」などの作品の怪獣・怪人も収録されており、最新作の「ウルトラゼロファイト」や「ネオ・ウルトラQ」の怪獣も網羅されている。怪獣の細かいバージョン違いや、宇宙人の円盤、人間に化けているときの姿など、ファンやマニアにはたまらない詳細な情報も掲載されており、見ているだけで子供の頃の興奮が甦る、まさにオトナのための大図鑑なのである。価格は5250円。

「円谷プロ」のファンは、何もウルトラシリーズのファンに限られている訳ではない。ウルトラマン以外の円谷プロ制作のドラマの魅力を再発見するイベントとして「円谷プロ50周年企画 ウルトラマンだけじゃない上映会」が、「円谷プロ」が設立して、ちょうど50周年を迎える4月12日に渋谷の「アイア シアター トーキョー」で開催される。「快獣ブースカ」「ウルトラファイト」「ファイヤーマン」「ミラーファイト」「恐竜大戦争アイゼンボーグ」「レッドマン」など、円谷プロの様々な特撮作品が上映される。

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また、樋口真嗣監督やAKB48田名部生来など、円谷プロのファンを招き、「円谷特撮」について語るトークイベントも実施されることになっている。そして、ブースカ、ファイヤーマン、レッドマンといった、上映作品のヒーローたちとウルトラマンもゲストとして登場予定。

なお、入場するには、応募サイトから必要事項を入力の上応募。抽選で100組200名が招待される。応募締め切りは4月3日。

余談ながら、「円谷プロ」が運営する熊本県荒尾市にあるウルトラマンシリーズのテーマパーク「ウルトラマンランド」が、2013年9月1日をもって閉園することがアナウンスされた。

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「ウルトラマンランド」は、1996年3月の開園以来、約17年にわたって子供たちやファンに親しまれ、ウルトラヒーローと間近に触れ合うことができる施設として人気を集めた。ウルトラの世界を体感できる「3Dアートライド ウルトリックツアー」、ウルトラ戦士のメリーゴーランド「ウルトラGOランド」といったアトラクションをはじめ、ウルトラ戦士が活躍するライブステージや撮影イベント、科学特捜隊本部を模した造りのグッズショップ「ウルトラマンワールドM78」や誕生日にウルトラヒーローがケーキを運んできてお祝いしてくれるレストラン「ウルトラ・デ・レストラン」など、ウルトラシリーズならでは趣向が凝らされたテーマパークだった。

閉園とは少々寂しい…残念である。